小さな博物館の膨大な玩具コレクションの背景には、激動の時代をこえて玩具文化の灯をつなごうと尽力した人々、素朴な造形美に打たれ、調査・蒐集にのめり込んだ人々があった。
中国大陸の東北から西南へと旅して、民衆の手による素朴な玩具をひとつずつ、土地の文化慣習をひもとき紹介する図鑑。満州で蒐集された貴重なコレクション群を含む圧倒的な作品数、玩具学芸員による時代・素材・文化背景をおさえた詳細な解説、美しい造本・写真に加え、歴史に翻弄されながらも玩具を破壊と衰退から命がけで守ろうとした人々の熱い思いが伝わる愛蔵版。
Book 中国民衆玩具ー日本玩具博物館コレクション(民衆藝術叢書)
「オアハカの動物たち」と「ミャオ族の刺繍とデザイン」の方が再入荷してきました。
週末は寒くなりそうです、本を片手に暖かくゆっくりとお過ごしください。
中国西南部に暮らす少数民族、ミャオ族。 文字を持たないミャオ族は、歌で民族の物語を伝え、刺繍で神々や生活を描いてきた。 その刺繍は、芸術的なセンスと、卓抜な技術で知られる。 綿花や麻の栽培・糸つむぎから装飾まで、一着を仕上げるのに何年も費やすことも珍しくない。
世にも美しい刺繍は、王侯・貴族のためではなく、庶民のためのものであり、身近な人を守る魔除けであった。 芸術にまで昇華した貴州省のミャオ族による刺繍をあますことなく伝えるビジュアル書。
今号のテーマは「Harmonious(ハーモニアス)」。昨今、人間同士の関係性が希薄になり、孤独感や無力感に苦しむ人が増えていると言われています。ネットやSNSではかつてないほど膨大な言葉が、秒単位で交わされているにもかかわらず、なぜ?人や地域、社会、自然との繋がり、そこに生まれる調和した関係。多様な形のコミュニティを探り、その意味や必要性を改めて考えてみた号となっています。
Book Subsequence Magazine Vol.6
手工芸の宝庫といわれるメキシコ・オアハカ州。20世紀半ば、一人の男が作りはじめた木彫りの動物たちに、ミッドセンチュリーを代表するデザイナー、アレキサンダー・ジラードが早くから注目した。今ではメキシコを代表する工芸品となったオアハカン・ウッド・カーヴィングだが、初期のものはマチェテ(山刀)を使った粗い彫りと、釘で打ちつけただけの手足や尻尾、アニリン染料の味わい深い褪色など、なんとも言えずおおらかで、日本でも多くの作り手に愛された。本書では、濱田庄司・堀内誠一・柚木沙弥郎・柳宗理・山本教行らの蒐集品を含む130点の動物たちを紹介する。
しばらく在庫切れだった柏田テツヲ (Tetsuo Kashiwada) さんの写真集「Into the Gray」が再入荷してきました。
衝動に突き動かされた柏田さんの思い、記録が収められています。どうぞご覧になってくださいませ。
柏田テツヲ (Tetsuo Kashiwada) Photo Book「Into the Gray」
前号からもうすぐ1年、ようやく5冊目が完成しました。今号のテーマは「Body Presence(ボディ・プレゼンス/身体性)」。移動が制限され、日常のあらゆる行動 がオンラインやリモートによって簡易に済まされてしまいがちになった今、改めて「実際に体で感じること」の大切さについて考えてみたいと思いました。アーティスト、デザイナー、ミュージシャンなど、多くの表現者に自身の活動や制作物と身体との関わりについて話を聞きました。もちろん今号も世界各地の知られざる工芸や美術、 文化をご紹介するコンテンツは大充実。美しいヴィジュアルと詳細なテキストでたっぷりお送りします。
Book Subsequence Magazine Vol.5
初版発行後の調査で明らかになった情報などを加えられた第2版。装いも新たにスミレ色にピンク色の文字となり、初版と配色が逆転されています。
尾張徳川家がスイスから日本へ持ち帰った熊を由来とし、北海道八雲の地に根付いた木彫り熊。そんな八雲の熊を蒐集、研究し、その魅力を再発見することを目指し結成された東京903会 (くまさんかい) による熊彫図鑑。
編集者であり、東京903会の代表を務める安藤夏樹さんのコレクションを中心とした約220点におよぶ八雲の木彫り熊の写真を掲載。また、八雲の代表的な熊彫作家の作品紹介や解説、八雲の木彫り熊の歴史の紹介など、たっぷりとした内容で木彫り熊の魅力や歴史にじっくりと触れられる素晴らしい図鑑です。
東京903会 「熊彫図鑑」第2版
本日より発売となりました。「アーキヴィスト(Archivist)」という言葉を手がかりに、柳本浩市氏(1969-2016)の活動や思想を踏まえ組み立てられた本展をもとに、柳本浩市展実行委員会では、その活動を改めて見つめなおし、記録集を構成しました。 今回の記録集出版にあたり、2017年の展覧会時の会場写真に加え、あらたに収集物の撮影を行い、アーキヴィストとして柳本氏自ら作成し残した主要なファイルから一部を集録しています。 また、生前、柳本氏と親交のあった方々による寄稿文や氏のレクチャー「アーカイブ個人編集論」なども集録。柳本氏のアーキヴィストとしての収集・整理・編集などの活動が改めて一望できる一冊となっています。
Book 柳本浩市 ARCHIVIST
柳本浩市 プロフィール
1969年山梨県生まれ。幼少のころ、植草甚一に影響を受けてジャズと古本に目覚め、小学1年生からアメリカ文化に没入し、古着や家具などの収集を開始。ただ収集するだけでなく収集物を独 自の視点で再編集し社会背景と照らし合わせて再定義した。マーケティング、セールス・プロモーションなどに関わる会社員時代を経て、2002年にGlyph.を起業。自社の商品開発や出版事業からスタートし、後にKDDIのリテールサービス事業や代官山蔦屋書店のアドバイザーなど大手企業の商品開発やブランド戦略アドバイザー、行政の地方創生事業などのプロジェクト・マネジメントに携わる。並行して多くの雑誌の特集監修や執筆なども行った。また飲み会「リアル中西」を主宰し、SNS時代における人的ネットワークの構築を実践した。著書に、社会とデザインの関係性を考察した『DESIGN=SOCIAL』(ワークス・コーポレー ション)、新しいメディアの創出を提案した『共創がメディアを変える』(中村堂)などがある。